2016年3月号は小林治行さんです

株式の変動要因  先を読む目

 32, 株式市場を動かす特徴的な事例が出たので、研究してみたい。

 32日の日経平均株価は、661円高の16,746円で終わった。何があったか? 新しい追加施策でも出されたか? ブルームバーグ3/2電子版にはこう書いてある。

 「米国の製造業、自動車販売統計の堅調に加え、為替の円安や原油市況の続伸が好感され、リスク資産を見直す動きが活発化した。」具体的には、「①米供給管理協会(ISM)発表の2月の製造業総合景況指数49.5と昨年9月以来高水準だったこと。②米2自動車販売台数2月としては2000年以来の高水準であったこと。③NY原油先物1.9%高の1バレル=34.40ドルと続伸したこと。④投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティー指数(VIXは今年に入り最低水準になったこと。」「為替も、為替回避の動きが後退し、前日の1㌦=11261銭から113.70円~114.10円で推移した。」結果、「午後には一時日経平均は729円(4.5%)高となり、チャート上は25日移動平均線を大きく上回った。」

さて、日米共に大きな金融財政施策が出されない中で、日経平均が700円も変動するとなるとそのファクターを押さえなくてはならない。

経済指標で最も重視されるのがGDPで、四半期毎に発表される。今回の事例のアメリカではISM製造業景況指数、自動車販売台数、原油価格、VIX指数が挙げられているが、それ以外に重要な指数に、失業率、住宅着工件数などがある。日本では、GDP以外には3ヶ月毎の日銀短観、失業率、鉱工業生産指数、自動車販売台数、機械受注統計、全国消費者物価指数(CPI貿易統計などがある。

最近は中国の経済が日本に大きく影響を与える。中国の場合は、統計には意図が入っていることを配慮しておく必要がある。GDP以外に、貿易統計(輸出、輸入)、貿易収支、製造業購買担当者景気指数(CPIなどがある。中国は世界一の外貨保有国だが、‘14/6⇒’15/12の間に6600億ドル(16.6%)減少しており、景気低迷を見る指針にもなっている。

これらファクターは投資家には必須であり、「長期保有・分散投資」と言っているだけではリスクに立ち向かえない。誰でも見られるサイトで、数値だけでなく今後のスケジュールも確認することができるので、紹介しておく。 Yahoo トップページ⇒ 縦のサービス欄の「ファイナンス」⇒ FX/為替⇒ 経済指標

ここには各国の過去~将来の経済指標の発表スケジュールが掲載されている。重要指標の発表や、中央銀行総裁記者会見日前後は必ず市場は動く。原油価格の動向にはOPECや中東のニュースも目を離せない。新聞記事で結果を読み込むだけでなく、先を見る目利きになるため、スケジュールを押さえながら何度も事例研究をしてみよう。

海外投資家の売買動向も株価に大きく影響する。日経によると、昨年日経平均がピークを付けた’15/620,868円)から直近まで、海外投資家は11兆円の売り越しだ。一方、年金の買い越しは3兆円。海外の売りが日本の株式市場を下げている直接の要因でもある。よって、毎週木曜日に東証が発表する「投資部門別売買動向」にも継続的に注視が必要となってくる。

最後に、3月の重要日程を押さえておく。3/5から中国で全国人民代表大会3/14-15日銀金融政策決定会合(マイナス金利幅拡大はあるか)、3/15-16FOMC委員会(追加利上げはないと見るが如何)。

 

コバヤシ アセットマネージメント 小林 治行(CFP®

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