2016年10月号は熊本から永野修さんです

熊本からのFPレポート~

 

震災への「備えあれば憂いなし』の『備え』とは?

 ご存知の通り熊本は4月に2度の震度7の地震と約2,000回に及ぶ余震を経験しました。現在も復興半ばの状況です。テレビや雑誌などは「備えあれば憂いなし」とばかりに震災への「備え」を呼びかけています。

確かに備えておいた方がいいものはたくさんあります。しかし、実際に震度7の地震が来たらどうか。それはもうパニックです。家はミシミシと揺れ、戸棚に入っている食器や皿類はガシャンという音とともに落ち、割れて粉々になります。実際に体験すると、この状況下では「何を備えておくのか」より「何をすればいいのか」を知っておく方がはるかに大事だということを思い知らされます。

これからの話は、熊本の震災の時にFPである私は何をしたのかの経験談です。

 414日夜9時半頃、それは突然来ました。今まで経験したことがないようなものすごいレベルの揺れ。食器やコップなどは戸棚から飛び出して割れ、後で屋根を見たら瓦がずれていました。

まず、被害状況を一通り確認しました。テレビで見る益城地区はこの段階ですごい被害が出ていましたが、私が住む北区やオフィスがある中央区は大した被害ではありませんでした。

 被害確認後、素早く行動を開始しました。この時はそれこそ「備えあれば憂いなし」というくらいの気持ちで、まさか役に立つとは思ってもいませんでした。ですが2回目の震度7、しかも1度目とは比較できないくらい大きい震度7が来てしまいました

 1回目の地震後に準備したことで2回目の地震の時に役に立ったのはこの7つでした

①家中の戸棚の扉が開かないように紐で縛る    ②2台の車のガソリンを満タンにする

③水、お茶、パン、おにぎりなどの食料を購入     ④コンビニでお金を少し多めに用意する

⑤寝る時に逃げる時に備えて持っていくものを一カ所におく   ⑥懐中電灯を枕元に置いて寝る

⑦靴下を履いて寝る

①~⑥については説明は要らないでしょう。⑦は4月という夜はまだ肌寒い季節、外に逃げる時に寒さをしのぐために有効でした。もう1つは怪我の防止。ガラスの破片が家中に飛び散っていて裸足では危険なのです。

 避難した時は停電しており、家も外も真っ暗。見えない中、外に出るとパリンパリン音がします。なんと屋根瓦が落ちて割れる音でした。いったん外に逃げたものの寒さに耐えかね、震度6レベルの余震の最中に家に戻って暗闇の中でジャンバーなどの上着を持ち出しました。これも準備しておけばよかったと思いました。

こうして家族で車に乗りスーパーの駐車場に避難して3日間を過ごしました。

 パニックの中で多くのことを考えるのは無理です。実際に震度7の地震が来るとどんなに物を備えていても無用の長物になる可能性があります。震災が来たら何をしたらいいのか。これを頭の中に入れておくことが一番備えるべきことです。とはいえ、あんな怖い思いは2度と経験したくないのは言うまでもありません。

永野 修(CFP/㈱FPフェアトレー・ジャパン)

 FP One Point 生活再建のために重要な「罹災証明書」

 

罹災証明書とは、地震や風水害等の災害により被災した住家等の被害の程度を市町村が証明するもので、各種被災者支援策の判断材料として活用されます。『全壊』『大規模半壊』『半壊』『一部損壊』の4区分があり、そのうち各種支援が受けられるのは『半壊』以上となります。市役所など取得する際、「一部損壊」であればその場で発行してくれますが、「一部損壊」では支援が受けられません。時間がかかってもしっかり調査してもらうことが重要です。

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