2016年6月号は城戸祐治さんです

投資信託をどう選択するか?

 〜金融機関は商品の選択をお願いするところではなく、商品情報の収集場所〜

 

昨年の今頃、飲み友達の女性から「母親がある投資信託を買ったのだが、どんなものか教えて欲しい」というメールが届いた。彼女、超一流大学系列の女子高からその大学を優秀な成績で卒業。頭脳明晰で株式等の投資経験も長い。そんな彼女が「わからない、納得できない、意味不明」とサジを投げてしまい、私へのメールになったわけである。確かに、昨今の投資信託は“複雑怪奇”なスキームの商品が多い。早速、話を聞いてみた。

このお母様、豪華なブースに案内され、まず一声。「配当がたくさん出るものはあるかしら」

担当者曰く「直近のアジアの株価のトレンドは上向きです。〇×戦略に基づいた最低限の収益を確保します…」

孫のような若い担当者が一生懸命、「配当のいい商品は色々ありますが、お客様に合う商品はこれです!」と奨めてくる。

「配当金額が毎月75円は高いし、よくわからないけどしっかり工夫しているみたいだからいいでしょう。娘にも勧めますわ!」

 「そこまでお気に召して頂いて嬉しいです。ありがとうございます!よかったです!」

 

 このエピソードから、皆さんにお伝えしたいことがあります。

お母様が購入された投資信託は1年前の基準価額が4,500円、今は2,500円くらい。約2,000円の減額分は、大雑把に言って75円×12カ月=900円の“配当金”として支払われた元本払戻金と、残り約1,100円が運用損です。このままだと、近い将来、分配金も大幅に減額されることが予想されます。

 どこに問題があったのでしょうか。お母様の金融機関担当者への依頼は至極当然、金融機関担当者の商品選択は誠意ある行動。最後のお母様の判断が悪かったのだと思います。

 投資信託を最初に購入するときには分散投資を考えFPと相談しながら商品を決定していきます。もちろん追加購入時も一緒です。このお母様はご相談するFPを持っていなかった。おそらく、ご自分の投資経験は浅くスキルも十分ではなかったのでしょう。

 金融機関で商品を勧められ、判断を迫られた時の為に、ごく簡単に3つ注意点をあげてみます。

①分配金だけでなく基準価格の推移を確認する。

分配金が出ていると運用が上手くいっていると思いがちですが、元本を取り崩して分配している商品もあります。分配金を出しながら基準価格も維持できている商品を選びましょう。分配金を出さずに運用益を再投資するほうが投資効率はいいので、分配金をもらう必要があるかどうかも事前によく考えておきましょう。

②販売手数料、信託報酬、信託財産留保額の率の合計が低いものを選ぶ。

 投資信託にかかる手数料は販売手数料だけではありません。販売手数料がゼロでも、運用が続いている間、信託報酬という運用手数料はかかっています。解約時に信託財産留保額という手数料がかかる商品もあります。それぞれの手数料の有無とパーセンテージを確認しましょう。

③複雑なスキームの商品は、その場で理解したつもりでも即決しない。

 その場では担当者のペースに乗って、わかったつもりになったり、商品が魅力的に見えたりするものです。持ち帰って、商品内容が理解できているのか、運用方針が本当に自分に合ったものなのか、よく考えてみましょう。

 

投資信託に限らず、リスク商品を購入される時は、ぜひ信頼のおける担当FPにご相談なさってください。同時にご自分の投資スキルに日々磨きをかけることもお忘れなく。

          城戸FP事務所 城戸 祐治

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