保険商品活用のツボ

医療保障に適した保険は?

Q 医療保障が気にかかります。どのような商品がよいのですか?
A 医療保障を備える際にまず最優先させるべきなのは、「すべての病気・ケガの入院」に対応する一般的な入院保険です。

とりわけ年齢とともに病気入院のリスクが高まるので、健康状態が悪くて入れなくなる前に加入しておくことが大切です。

入院保険には、定期付き終身保険などの主契約に特約で付けるタイプと、始めから単独で入れるタイプがあります。

死亡保障の必要な人は単独で入るより特約で付けたほうが保険料負担は軽くて済みますが、もともと医療保障しかいらない人は単独の保険に入るほうがムダのない保障設計となります。

ガンが心配で、一般的な入院保険だけでは保障が十分でないと考える場合、ガンの保障を厚くするガン保険に入る、あるいは、ガン特約を付けるなどの方法があります。

ガン以外の病気も力バーしたければ、男性の場合は成人病特約、女性の場合は女性疾病特約をつけ、対象となる病気入院の保障を厚くする方法があります。その他にも取扱機関によってさまざまな医療特約がありますが、あれこれ心配しすぎても保険料負担がかさむだけなので、基本的な入院保障があればあとは貯蓄でカバーするといった割り切りも必要です。

ガンにかかったり、脳卒中、心臓病で所定の状態になれば保険金が降りる3大疾病保障保険のような生前給付型の保険もあります。特定の病気や所定の状態になれば保険金が降りますが、その支払い要件は決して緩くないことを知ったうえで加入を検討すべきです。病気による障害を保障する保険、重度の慢性病を保障する保険なども相次いで販売されていますが、商品内容をよく知ったうえで加入を検討することが大切です。
ポイント
● まず最優先で備えたいのは一般的な入院保障である 
● ガンなど特定の病気のみを保障する保険もある 

 

死亡保障に適した保険、共済は?

Q 死亡保障が必要な場合、どのような保険・共済商品が適しているか?
A 死亡を保障する保険商品としては、一生涯の保障が続く終身保険、一定期間のみの保障がある定期保険が最も一般的。民間生命保険会社だけでなく、郵便局、全労済、JA共済でも取り扱っています。

一般には保障切れのない終身保険(終身共済)の人気が高いようですが、保険料負担が大きいこともあり、掛け捨て型の定期保険(定期生命共済)を上手に利用することが望まれます。働き盛りの死亡保障を厚くした定期付き終身保険は、そういう意味での利用メリットはあると言えるでしょう。 

民間生保の商品で、死亡保険金を年金式に分割払いするタイプの保険(会社により家族収入保険、生活保障保険などという)も死亡保障担保用です。 

掛け捨てタイプの保険・共済には、グループ(団体)保険(共済)など、企業・団体の従業員・職員やその家族のみを対象にしたものもあります。

加入条件、保障期間、保障性などはそれぞれに違いがありますので、内容をよく確認した上で利用しましょう。 
ポイント
● 生涯の死亡保障が欲しいなら終身保険。 
● 一定期間内の保障でいいなら定期保険、家族収入保険。 
● 必要に応じて上記の商品の組合せを考える。 
● 勤務先のグループ保険、共済を利用する。 

 

死亡保障の考え方と設計

Q 死亡保障の必要性の確認と設計の方法は?
A 生命保険・生命共済の利用を前提とした保障設計は、まず、経済的なリスクの発見・確認から始まります。

死亡保障の必要性は、本人が死亡した場合に、経済的に困窮する人が残るかどうかにより判断します。したがって、一般には独身者などには死亡保障は必要がないと考えられます。

次に、万一の事態が起こった場合の準備する必要のある資金(支出)と、手当できる資金(収入)とを、照合します。 準備資金の内容としては、遺族の生活資金、育児・教育資金、死後の整理費用などが、また、手当可能資金としては、公的遺族年金、福利厚生制度による一時金や年金、貯蓄、準備済みの保険・共済の死亡保障、さらに遺族の稼得能力などが考えられます。これにより、資金不足や不安が確認できる場合に、新たに生命保険・生命共済による保障を考慮することになります。 

この照合をある程度の精度をもって実行するためには、将来の収支予測を核とするライフプランの考え方・手法が非常に有効です。 
ポイント
● 死亡保障は誰にでも必要なわけではない。 
● 必要準備資金と手当資金との照合が必要。 
● 死亡保障設計の大前提はライフプラン。 

 

民間保険と簡保、共済の違い

Q 民間の保険会社以外にも郵便局、JA共済、全労済などが保険商品を販売しているが、どのような違いがあるか?
A 保険を販売している機関には、民間の生命保険会社、損害保険会社に加え、郵便局(簡易保険)、JA共済、全労済、全国生協連などがあります。

商品の呼び方も民保や簡保は「保険」というのに対し、JA共済や全労済では「共済」と呼んでいます。また、「保険金」を「共済金」、「保険料」を「共済掛金」、「配当金」を「割戻金」という具合に呼び方が違っており、商品の品ぞろえや保障内容にもそれぞれの機関の特徴があらわれています。

これは、民保は監督官庁が大蔵省で保険業法のもとに運営されており、簡保は郵政省で簡易生命保険法、JA共済は農林水産省で農業協同組合法、全労済や全国生協連などは厚生省で消費生活協同組合法というように分かれていることによります。

品揃えや保障性では民保が抜きん出ているようにも見えますが、生保系・損保系の両方を備えるJA共済も遜色がありません。
簡易保険は養老保険、学資保険などの貯蓄兼用商品に特徴があり、全労済などは割安な掛金で一定の生保系・損保系両面の保障を提供することに主眼を置いていると見ることができます。 

どの機関の商品が良いかは、個々のニーズに適合しているかどうかによりますので、一概にはいえません。
まずはそれぞれの商品の特性をよく知っておくことが重要でしょう。 
ポイント
● 保険と共済、保険料と掛金など使われる用語に違いがある。 
● JA共済、全労済は損保系商品も取り扱っている。 
● 監督官庁がそれぞれ大蔵省、郵政省、農水省、厚生省と違う。

 

生命保険と損害保険の違い

Q 生命保険、損害保険の相互参入が進んでいるが、それぞれの特色は?
A 保険の種類は、商法により「生命保険」と「損害保険」に分類されています。

生命保険は、「人」の生死を対象に掛けられる保険で、「ヒト保険」とも呼ばれます。被保険者が何らかの理由で死亡した場合、契約期間終了まで生存していた場合などに、あらかじめ契約した保険金額が支払われる仕組みです。

一方の損害保険は、「モノ」「財産」を対象とする保険で、契約保険金額内で実際の損害額が保険金として支払われます。

このほか、病気・ケガでの入院、傷害、介護など、生命保険会社、損害保険会社とも取り扱っている保険があり、これら身体の損害にかかわる保険を「第三分野」の保険と呼んでいます。第三分野の保険は外資系の生命保険会社などが中心に販売していましたが、生損保の相互参入が進むなか、日本社を含む多くの保険会社で取り扱われるようになりました。
ポイント
● 生命保険は人の生死を対象とする「ヒト保険」。 
● 損害保険は物の損害を対象とする「モノ保険」。 
● 入院や傷害を保障する「第三分野」の保険も注目されている。 

 

保険でカバーする経済的リスクの種別と特性

Q 保険で備えておいたほうがいい経済的リスクには、どんな種類がある?
A 経済的なリスクを大きく分類すれば、「死亡」「医療」「長期生存」「障害」・「災害」「賠償責任」などに分けることができます。

「死亡リスク」は一家の・大黒柱など、その人が死亡することによって経済的に打撃を受ける人が抱えています。逆に言えば誰も経済的に困ることがない独身者などにはリスクはないといえます。

「医療」はとりあえず誰もが持っているリスクで、病気・ケガで入院した場合の出費、収入ダウンが考えられます。「長期生存」はいうまでもなく、老後に生活費不足に陥るリスク。「障害」は病気・ケガなどが原因で働けなくなったり、要介護状態になるリスク。老後の寝たきり・痴呆も含めて考えると、無視できないリスクといえるでしょう。

「災害」は火災、自然災害などで財産を失うリスク。「賠償責任」は自分の過失で他人の心身やモノに損害を与えた場合のものです。ただし、これらのリスクの大きさや影響度は、個々の考え方やライフプラン、加入している公的な制度、福利厚生制度、貯蓄額な・どにより異なります。
ポイント
● 死亡、医療、長期生存、障害、災害、賠償責任などがある。 
● 経済的リスクの大きさ・影響度は、人それぞれ個別の事情によって違う。

 

リスクの確率・カバーの優先順位を考えよう

Q 保険や共済への加入に当たって最初に注意すべき点は?
A この世の多くの人生は、ある年齢までは、致命的でないいくつかのリスクの発生を経ながらも、基本的には元気で生存しています。例えば、60歳までの男性の生存率は約89%です。この基本ラインに沿って考えると、多くの人にとっての最大の経済的リスクは、元気で生存しているのに生計上の資金が不足しているという状態でしょう。保険・共済への加入ではこのリスクは部分的にしかカバーすることができません。保険・共済が威力を発揮するのは想定されるリスクが実際に発生したときです。

このように考えると、保険・共済以上に重要なのは「貯蓄とその運用」です。保険・共済に必要以上にコストをかけたときには、その分、貯蓄に回る資金が減少します。言い換えれば、貯蓄は家計運営のメイン・システム、保険・共済はサブシステムということです。お金の問題を考える際には、このようなバランス思考、および優先順位の考慮が非常に重要です。
ポイント
● リスクの確率を考える必要がある。 
● 保障コストと貯蓄との関係を考える必要がある。 
● 保険・共済は家計運営の「サブ・システム」である。

 

加入の目的をはっきりさせよう

Q 保険や共済への加入に当たって最初に注意すべき点は?
A 個人あるいはファミリー(以下、「家計」と呼びます)は、生活経済上のリスクをカバーするために保険・共済に加入します。つまり、保険・共済商品の本来の役割は「保障」です。蛇足ながら、保険・共済は経済的なリスクに対処するだけであって、精神的な苦痛や道義的な責任をもカバーするわけではありません。

最初の検討課題はカバーすべき経済的なリスクがあるかどうか。言い換えれば「リスクの発見」です。多くの家計がこの作業を怠っています。例えば、扶養すべき家族のいない独身者が死亡保障をセットしている例をよく見かけます。

リスクには、この「死亡」のほか、「医療(入院)」「後遺障害」「予想外の長生き」「災害」「賠償責任」などがありますが、これらのどれに自分があてはまるか、その度合いはどの程度かをよく考える必要があります。
ポイント
● 保険・共済商品は経済的なリスクをカバーするためにある。 
● 最初に「リスク」を発見する必要がある。

 

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